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ドリフターズ・サマースクール2013 成果発表「ココ」

ドリフターズ・サマースクール2013の最終成果発表が9月21日(土)・22日(日)の2日間にわたって行われる。演劇・ダンス・建築・ファッション等の分野で活躍を志す若者たちが「移動」をテーマに、作品を創作。『ココ』と題された本作は様々な仕掛けが用意された参加体験型となっているので、是非体験してみてほしい。
 

 

 

 

 

 

▼ドリフターズ・サマースクールとは?

ドリフターズ・サマースクールは活動のフィールドや興味関心もバラバラな個性豊かなメンバーが集まり、多くの議論や実験を繰り返し、ひと夏をかけて作品をつくりあげるワークショップだ。

4回目となる今年は、これまでダンス・建築・ファッション・宣伝制作にわかれていたコースを廃止した。少人数制となったことで、さらに活発な議論が生まれ、受講生全員が作品の鍵を握った。

 

タイトルロゴをデザインした春田知子さんによるプレゼンテーション。

 

このスクールの魅力は、受講生が出したアイデアや制作物に対して講師から都度フィードバックを受けることができる点だ。また、全体監修・指導を務める演出家の篠田千明さんをはじめとした10名の講師からの指導の他、社会学者の加藤文俊さん、建築家の谷尻誠さん、ダンサー・振付家の菅尾なぎささんらの特別ゲストによるレクチャーもあり、贅沢な環境が整っている。こういった講師からのレクチャーや講評により、インプットとアウトプットを重ねることで、作品に厚みを持たせていっている。

 

成果発表の作品アイデアについて講師も生徒も同じ目線でディスカッションしながらブラッシュアップしていきます。

本番21.22日までのカウントダウンカレンダー。迫り来る本番に向け、1日1日制作を進めています。

 

▼DSS2013の様子

7月20日、森下スタジオに11名の受講生と10名の講師が集まり、ドリフターズ・サマースクール2013が開校された。

(詳しくは、こちらをお読みください→ドリフターズ・サマースクール2013 キックオフレクチャー

今年のテーマは、『移動』。初めは講師から出される様々な課題を通して、作品づくりにおける「思考力」をとことん鍛え、『移動』というテーマを掘り下げていった。ワークショップは回数を重ねるにつれ、抽象的な話から具体的な作品の方向性を決める内容へ。受講生がそれぞれ感じた『移動』を、講師や受講生たちでどんどん膨らませた後にひとつにまとめるという楽しくも難しい大変な作業である。

2ヶ月間のサマースクールは、議論や発表を行うだけでなく、カレー作りが行われたり、森下スタジオを飛び出し奥田染工場へ見学に行くことも。

見知らぬメンバーとの創作。サマースクールと学業や仕事との両立。大人数をまとめるマネジメント。テーマとコンセプトのすり合わせ。作品を作り出すプレッシャー。多岐にわたる経験を通して、様々な苦難にぶつかり、何度も立ち止まりながらも体当たりで向かっていく。

当初は互いの様子を伺いながら慎重だった受講生も次第に意見をぶつけあうようになり、クリエーションの勢いは加速していった。

 

講師から与えたられた課題例

●自宅から森下スタジオまでの移動において、何らかの特定の要素に注目し、それを記録し続けることによって、自宅とスタジオの間の道のりを可視化/記述した地図を作成すること

●「移動」に関係する作品を一つ以上調べてくること

●身の回りにある、「面白い」「不思議な」「違和感のある」不思議な構造を持っている状況を探してくること

 

石川初さんから出題された、自宅から森下スタジオまでの移動を可視化する課題の作品。

 

.『ココ』試作品。試行錯誤の様子は伺えます。

 

▼ドリフターズ・サマースクール2013最終成果発表に向けて

「『移動』というテーマであること」と「2ヶ月後に最終成果発表を行うこと」この2つ以外には決まりごともなにもない、真っ白な地点から始まった今年のドリフターズ・サマースクール。

日々変化し成長する受講生がつくりだす本公演は、最後まで誰もその内容を予想することができない。エネルギーに満ち溢れた若者たちの挑戦とそのクライマックスをその目で確かめてみてはどうだろうか?

 

【受講生よりコメント】

▼作品について

「”ココ”は常に、今、作られつつある場所。」 (今井実菜美)

「あなたが移動しても、移動しなくても、移動してしまう「移動」。

もしかしたらもうしはじめているかもしれないし、或いはすぐにはできないかもしれません。(でもしちゃいますから、移動。)」 (春田知子)

 

▼作品の見どころについて、

「何と言っても作品一つ一つと、お客さんが一対一の関係で繋がっていること。

ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、最後には、一対一の関係を更に覆すような体験を用意してお待ちしています!」(内海ちさき)

 

▼お客様へひとこと

「身体が移動するということ以上の移動を体験してもらいたいです」 (宮崎里美)

「ココのざわめきを ココのにおいを ココのひかりを ココのてざわりを ココらへんの味も

ココをココで感じて欲しい!」 (春田知子)

「今回の作品では様々な移動が仕組まれています。でも私はこの作品を通して物事の捉え方とか考え方が少し変わる事を期待していて、もう”もとには戻れない感覚”を経験してほしいです。」 (大崎名美映)

 

石川初さんが中心になって、『ココ』のコンセプトを掘り下げていきます。

 

    -ドリフターズ・サマースクール2013成果発表『ココ』-

日程: 9月21日(土)、 22日(日)

開演時間: 11:00/14:00/17:00/20:00

※受付は開演30分前より開始。参加型作品につき途中参加が難しいため、開演10分前には必ずご来場ください。

体験時間: 40分程度

集合場所: さくらWORKS<関内>2F 会議室

参加費: 無料(要予約)

WEB:http://drifters-intl.org/event/category/education/965

twitter:@drif_SS

Facebook:https://www.facebook.com/DriftersSummerSchool?fref=ts

writer profile

田中美佳 (たなか みか)
1989年生まれ。大阪府出身。