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千駄木ダンス インタビュー

毎週火曜日の朝、千駄木の「防災広場 初音の森」に集まり、ダンスを作ってホームページで公開している「千駄木ダンス」。 もともとはドリフターズ・サマースクール2012の参加者による集まりだったが、だんだんと参加者の輪が広がり、イベントにも参加するように。今回のインタビューでは、どのように千駄木ダンスが始まったのか、8月21日に控えた次回の参加イベントについて、話を聞いた。(写真左から、水谷円香さん、金巻勲さん、山口静さん)
 

 

 

 

 

金七

今日はお願いします。まず、毎週火曜日の朝10時から千駄木の公園でダンスをする、という形が、みなさんの1番の特徴だと思うのですが、どのように千駄木ダンスはスタートしたんですか?

 

水谷

最初から「これから火曜日の朝にダンスしよう!」といって始まったのではなく、偶然、集まってやってみたら、楽しくて続けている感じです。

ある時、山口が「今度、谷根千案内してあげる」と言ってくれて「遊ぶついでに、いい公園があるから、そこで踊ろうよ」ということになったんです。

 

山口

ただ、その約束の日、私が用事があって、朝の11時までしか時間が無くなっちゃったんです。それで「とりあえず、朝、公園で踊ってみようよ」ということになりました。

やってみたら楽しくなっちゃって「来週もやろうよ」ってなって、スタートした日が火曜日だったから、毎週火曜日に定着したんです。

名前も、最初は「朝練」って呼んでいました。それが、いつの間にか「千駄木ダンス」と皆呼ぶようになっていましたね。スタートと同じように、名前もなんとなく決まった感じです。

 

金七

偶然によって、火曜日朝に定着したんですね。それでは、最初は作品を公開したり、イベントに参加したりといったことも、全然考えていなかったんですか?

 

金巻

初回の時も記録のために動画を撮っていたけど、全然公開するつもりでは無かったです。ただ、やってみたら面白かったから、自分たちだけで見ているのもつまんないな、と思って、最初、個人のFBで公開したりしていました。その後、しばらくして千駄木ダンスでTwitterやFacebookのアカウントを作ったんです。回をどんどん重ねて、作品の量もまとまってきたので、今年の正月にホームページを立ち上げました。

 

金七

公園でダンスする、ということですが、周りの人から反応などありますか?

 

水谷

いろんな人が通るけど、ニコニコ見てくれますね。喋りかけてくれたりもします。犬の散歩も避けないで通ったり、普通に接してくれます。

 

金巻

恵比寿の公園で練習してみたこともありますが、反応は全然違いますね。恵比寿だと「なにやってんの、あれ」みたいな感じですが、千駄木では、僕たちは風景の一部のような扱いです。

 

ダンスをみんなで作っている様子

 

金七

毎回、ダンスを作るのに、かかる時間はどれ位なんですか?

 

金巻

テーマはその日、その場で決めていています。ゲストが来てくれたら、ゲストに決めてもらうようにしています。「興味のあることとか、ぱっと思い浮かんだことを言ってください」とお願いします。撮影終了まで1~2時間くらいですね。

 

金七

ゲストはどういう人が来るんですか?

 

金巻

最初は、サマースクールつながりとか、友達が多かったんですが、この1~2ヶ月、Twitterとかで千駄木ダンスを知った人が参加してくれるようになりました。本当にはじめましての人が「踊りたいです」って1人で来てくれるんです。

この前来てくれた人は「自分の動きが記録で残るのが嬉しい」って言ってくれたりしました。普通の作品ならどの振りを使うか取捨選択があるけど、千駄木ダンスでは全員のアイデアを100%使うんです。

 

金七

そうなんですね。テーマが決まったら、みんなでアイデアを出し合うんですか?

 

金巻

テーマを決めたら、各々が考える時間になって、やりたい動きを出す時間にしています。皆出来たら、順番に発表して、それを皆で練習して覚えて、全員の振りを繋げます。

「この人の振りの後にはこの人の振りが合うね!」と、どんどん作っていきます。構成は早いですね。

 

水谷

撮影は一発撮りが多いと思います。カメラが倒れたりしない限り、たいがい一発です。ただ、やっぱり屋外でやるからハプニングもあります。だけど、それもいい偶然が多い気がします。

 

金七

最近印象深い偶然は何ですか?

 

水谷

踊り終わったあと、一斉にセミが鳴き出して、すごい季節感が出たりしましたね。(「アイスクリーム真夏の太陽風味」)

 

 

 

金巻

あと、階段で踊っている作品があるんですが、映像の最後、外人のおじさんがカメラにピースサインしていったり・・・(「新しい・ピカピカ・まっさらの」)

 

 

山口

ダンス映像というくくりではなくて、「この活動の記録」とか「今日のお便り」という気持ちでいますね。ダンスを発表したい、というよりも朝から体を動かす楽しみや、季節の変化を体感できることがいいな、と思っています。冬はとても寒いので、たくさん動いて、ラストはたいがい走ってるんですけど、夏は暑いから、あまり動かなかったり・・・。服装もコートを来ていたのが、だんだん薄着になっていくので、そういった違いが面白いですね。

 

金七

21日にイベントに参加するそうですが・・・。

 

金巻

山口が1度だけ喋ったことがあるダンサーの方からお誘いを受けたんです。コンテンポラリーダンスのイベントで、何人かソロのダンサーが出演して、あとは千駄木ダンスが出ます。15分間の作品を作っている最中です。

 

山口

自分たちのやりたいこととか出し合って、企画者がどういうダンスを必要としていて、千駄木ダンスはどうアプローチできるか、を考えています。

 

水谷

いつもは他人に見せるために作っているわけではないけど、今回は作品として見せなきゃいけないんです。だけど、千駄木ダンスで作るんだから、訓練された体ではない魅力を見せたいと悪戦苦闘中です。

 

金七

具体的なアイデアはなにかあるんですか?

 

金巻

「遠くにある何かを想う」というがテーマです。夏だから、プラネタリウムやりたいねっと言っていて、最初は、電球をまいて踊ろうとか言っていたんですが、その案は消えて、星空というアイデアが残ったんです。

ある日、花火を見に行ってその映像を撮っていたんです。すごく拡大して撮っていたら、それこそプラネタリウムのようで星空そのものでした。そこから、すごく綺麗な星とか見るとぼーっとしちゃう感覚を作品に込められたらと思っています。

 

作品のモチーフのひとつとなっている、花火の様子

 

作品のモチーフのひとつとなっている、花火の様子

 

山口

踊っている人が主体じゃなくて、見ている人が主体になれる作品を作りたいです。15分の私たちのダンスを見ている時に、遠くにある人とか目標とか、自分にはないものとか、ふっと思い出せる、思える作品になればいいなと、夏のキーワードからモチーフを考えています。

 

金七

イベントまで、もうすぐですね。どういった作品になるか、楽しみにしています。今日は、ありがとうございました!

 

 

※千駄木ダンスでは毎回一緒にダンスをしてくださる方を募集しています。

ダンス経験などは問いません。どなたでも参加可能です。

毎週の開催情報は千駄木ダンスのTwitterでお知らせしています。

参加ご希望や詳細はsendagidance@gmail.com までお問い合わせ下さい。

千駄木ダンスのウェブサイト→http://sendagidance.tumblr.com/

Facebook→https://www.facebook.com/sendagidance

Twitter→https://twitter.com/sendagidance

 

※※インタビューでお話を伺ったイベントはこちらです。

「コンテンポラリー踊ります! vol 1」

出演:政岡由衣子、千駄木ダンス、大石あずさ、石塚彩織

神保町 試聴室  http://shicho.org/

2013年8月21日(水)

開場:19:00 / 開演:19:30

予約 1,500円 (1Drink込) / 当日 2,000円 (1Drink込)

詳細・ご予約はこちらから

http://shicho.org/2013/08/1event130821/

writer profile

金七 恵 (きんしち めぐみ)
1992年生まれ 後楽園⇔神楽坂他 ドリフターズ・マガジン編集長