いまこそ渋谷に「違和感」を:問いと観察のシリーズ講座「リ/クリエーション」プレローンチイベントレポート

「今日はみんな勉強する気持ちで来たんですかね(笑)」。マウンテンパーカーにTシャツ、首元にはドッグタグ。ここは、世界から人が押しかける渋谷スクランブル交差点の上。日本有数のIT企業がオフィスを構える東京・渋谷スクランブルスクエアにある共創施設「SHIBUYA QWS(以下、QWS)」。

そんな渋谷のど真ん中(かつ上空)に現れた大阪在住韓国人ラッパーのMoment Joonは、終始自分がいる場所に対して感じる違和感を発しながら、5曲を歌い約30分のライブをやり遂げた。2010年に留学生として来日し、現在日本で活動を行う彼は「みんなライブ見に来たって感じじゃないのはわかってるんですけど、一緒に歌いたいんですよ」と笑いながら語り、最後に「手のひら」という曲を歌った。

「この島のどこかで、君が手をあげるまで、寂しくて怖い。けどずっと歌うよ。見せて手のひら」

僕が日本を変えるんで

MCでMoment Joonは何度も「僕が日本を変えるんで」と口にした。凝り固まってしまった日本を変えるには、自分が外国人として感じてきたこと(それは、日本での体験にとどまらず、自身の韓国での徴兵体験や、在日ロシア人のガールフレンドとの体験も含む)を伝える必要があるのだという。

「ぼくはみなさんが見てない日本を見ながら、そこに住んでる。そんな周辺部でお互いになぐさめて生きていくのは不満です。それじゃ日本は永遠に変わんないから。みなさんが共感できない物語をもっているぼくは、みなさんに物語を伝えたいと思ってます」

紋切り型から解き放たれる遠足

2019年11月8日に開催された「渋谷から始まる世界遠足」。12月15日から募集が開始され2020年2月からスタートするQWSとドリフターズ・インターナショナルによる「リ/クリエーション」。その連続講座のプレローンチイベントとしておこなれた本イベントは、Moment Joonのライブによる奇妙な違和感とともに幕を開けた。

QWSは「渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点」というコンセプトのもと運営される会員施設。2019年11月にオープンし、「問い」をコンセプトとし新しいプロジェクトを生み出す場として動きはじめている。

来場者のMoment Joonのラップへの反応をみていると、普段ヒップホップに触れないのだろうと思われる人も少なくなかった。違和感は、Moment Joonだけではなく、来場者のなかにも生まれたはずだ。「なんで、いまラップ聴いてるんだろう?」

そもそも本イベントには同日の昼にMoment Joon、菅俊一、清水淳子とともに、ドリフターズ・インターナショナルの中村茜、金森香、藤原徹平が行ったフィールドワークの後に実施された。大開発がいままさに進行する渋谷で、いかにインディペンデントなカルチャーが可能なのか? そんな問いを心にもちながら街を歩いた彼らの気付きを共有することがイベントの趣旨だった。

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